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    2022-12

    三重の木の椅子展3出品作品 - 2022.11.01 Tue

    11月になりました。

    いよいよ始まります。『三重の木の椅子展3』がいよいよ目の前までやってきました。

    こちらはfacebookのイベントページになります。

    三重の木の椅子展3

    11/3(木・祝)から6(日)までの四日間。三重県立美術館県民ギャラリーにて。

    9時半から17時まで(入館は16時30分まで)、最終日は15時で終了。

    普段も工房家具作家として活動するプロの作り手、建築や林業、製材業の人も何人か。
    全部で31組の作り手たちの三重県産の木で作った50脚以上の椅子たちがズラリと勢揃いします。

    今回は初めてこの実行委員会の事務局を担当している僕も、作家の一人として出品します。




    今回は僕にとってのオーソドックスなデザインのフレーム仕立ての椅子を2脚作りました。
    材料と仕上げを変えて同じデザイン、サイズの椅子が2脚です。


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    欅+椎の椅子です。

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    フレームが欅(ケヤキ)で、座面と背もたれが椎(シイノキ)です。


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    欅+椨の椅子です。

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    フレームが欅(ケヤキ)で座面と背もたれが椨(タブノキ)です。


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    このシイノキは津市の市街地に残っている自然林の中で伐採されたものを
    もう随分と昔にもらって製材、乾燥をしたものです。

    シイノキは温暖な三重の里山などでスクスクと大きく育って目立ち、よく見かける木のひとつ。
    カシやコナラ、クヌギと同じブナ科の木ですが、その中でも成長の良い木だと思います。
    森の中でわりとスッと通直で枝も少ないから材料としては歩留まりの良い木だと思います。

    材質としてはかなり白っぽいほうで、木目は大人しい感じのものが多いです。
    広葉樹の中では柔らかい部類で、仕事はとてもしやすいですね。

    木肌も綺麗でカンナで削るとツルッツルになります。
    僕にとって、とても好きな地元材の一つです。



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    そしてこちらがタブノキ。
    三重県の北勢部のいなべ市の神社の境内にあった木です。

    こちらも伐採されてからお話があり、見に行ってみると、とても目の詰まった
    アカタブと呼ばれる良材で、引き取らせて頂くことになりました。

    一番玉での直径が80センチ以上の大木でしたが、年輪幅は非常に狭く、おそらく200年以上は
    経っていると思われます。

    タブノキも本当に三重にはたくさん生えてる木で、一般的なのはたいてい成長が早く、
    太くて真っ直ぐなものが多いから、シイノキと同様に、三重の広葉樹で量と質が安定して
    入手出来る木としてトップクラスにある木であると思います。

    でも今回のはちょっと特別なタブノキでそうそうお目にかかれない銘木だと思います。
    そうそう、この木で僕は友人の楽器工房に頼んでギターを作ってもらって愛用しているのでした。
      

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    そして今回の二脚はどちらも、フレームの部分には強度のあるケヤキを使いました。
    この欅+椎のほうは漆で仕上げて、白っぽいシイノキとのコントラストがモダンな雰囲気に
    なっています。

    20221101133106bcc.jpeg

    生地はブラシの横擦りで荒らしておいてから拭き漆を施してありますが、
    やっぱり漆はいいですね。やる毎に毎回そう思います。

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    欅+椨のほうも構造フレームはケヤキを使いましたが、こちらはワックスで仕上げて、
    オイル拭き後にワックスを塗った座面と背もたれと、全体を生成りのナチュラルテイスト
    にしました。

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    このケヤキですが、工房近くの民家の庭先から続く畑の土手で大きくなり過ぎて
    畑が陰になってしまい、伐採することになった木です。
    数本の立木がありましたが、年輪幅の粗い、里山のケヤキがどれほど使い道があるのか
    判断出来ず、あまりたくさんに製材費や乾燥手間掛けることに躊躇したので、
    丸太にして3本だけを引き取ったのでした。挽いたのは2017年の年明け頃でした。

    そしてあれから5年が経って、今回初めて使ってみたわけですが、、、
    いやいや、これはなかなか良いじゃないか!!

    ってことでもうちょっと貰って挽いておけばよかったなと思いました。
    また今回みたいに椅子や箱物のフレームに使うのが自分の好みに合っている
    ことも確認できたので、今度同じようなのがあったら思い切ってもっと柾目の板を
    たくさん挽いておくことにしようと思います。


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    今回の椅子展では、椅子以外の小さな家具も参考出品出来ることになっているので、
    この二脚の椅子の真ん中に置いて使えるようなTeaTableも作るつもりでいたのですが、
    なかなかアイデアが定まらず、下手なもの作って余計なものになってもいけないと、
    今回の出品は諦めて、名刺を置くためだけの展示用の什器として小さな台を作りました。
    でもこれがなかなか気に入っちゃってます。

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    ちょうど名刺が無くなってしまっていた時期なので、新しいデザインの名刺を
    グラフィックのデザイナーをやっている娘に頼んで作ってもらいました。
    スタイリッシュな名刺が出来上がってきて、それもちょっと楽しい気持ちになったし
    四日間の展覧会でたくさんの方々にお会いすることを、目一杯楽しんでこようと思います!

    皆さんも是非是非お越しくださいね!!



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    『三重の木の椅子展3』 - 2022.10.05 Wed

    『三重の木の椅子展3』が開催されます。

    3年ぶり3回目の開催になります。
    今回は31組の出品参加を得て点数にすると50脚くらいにはなるでしょうか。




    〈会期〉11月3日(木・祝) 〜 6日(日)
    〈時間〉9:30〜17:00 (入館は16:30まで) 最終日は15時まで

    〈会場〉三重県立美術館「県民ギャラリー」※入場無料です

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    地元木材を暮らしの中に活用することは、本来とても自然なことです。
    またそれは、地域の気候風土を反映した生活文化の醸成に繋がるのだと思います。

    三重の、と行政区分を前に出すのは、まぁそんなに重要ではないんですが、
    まぁ便宜的に、というところ?
    とにかく、この地域特有の温暖な気候の中でスクスク育ったおおらかな木々は、
    やはり木材としての味わいもおおらかだと感じます。

    素材の持つテイストが作品の作り手に多大なインスピレーションを
    与えてくれるのが木を活かして物を作る木工というジャンルであることは
    長年の経験からとてもはっきりと言えることだと思っています。

    三重の地で育った木と地元木工家たちのセッションでどんな作品が
    生まれるのか、とても興味深くて楽しみでなりません。

    またもうひとつの大切な視点は、物作りは人と自然の接点として
    環境問題をどうクリアして人間の文明を存続させるか、という
    問題にとてもリンクしているということ。

    地元材の積極活用が提唱されて久しいですが、これまでのような
    人間の欲得で使い捨てのモノ文化を続けるのでは、先に述べた
    意味が失われてしまいます。

    ひとつひとつが違う木に合わせて、その良さを引き出すような物作りでなければ、
    また、木が大木に育って再び豊富な木材となるまでの時間に合わせたサイクル
    で木を活用する物作りでなければ、自然と共生する持続可能な文明を築くことが
    出来ないことは、かつて全ての人間社会では根幹をなす指針であったはずです。

    行き過ぎた商業主義的生産と消費サイクルの加速によってもたらされた
    使い捨てのモノ文化を見直し、自然界の多様性と循環に寄り添った
    真に豊かな生活文化を今一度作り直していくこと、そのヒントが詰まった
    展覧会になればいいなと思います。

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    会期中に会場内の特設スペースでトークショーを行います。

    11/3のスペシャルゲストは文化人類学者の辻信一さんをお招きしました。

    この展覧会のテーマに、辻信一さんほどピッタリなお話をしていただける方は
    いないと思っています!
    人類にとってもう待ったなしのシリアスな課題に対し、いつでもポジティヴに
    新しい道を提唱される辻さんのお話を皆さんと一緒に、この地元の木の椅子たちと
    一緒に聴きたいと思います。

    そして5日の土曜日には、この展覧会に三重の木の椅子を出品する木工家たちによる
    トークショーが行われます。

    一人ひとり個性豊かな作り手たちが、いろいろな樹種の三重の木と出会って出来上がる
    過程や、大量生産とは違うハンドメイドの物作り現場ならではの制作についてなど、
    たいへん興味深いお話が聴けることと思います。

    2つのトークショーにも乞うご期待!!


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    是非とも多くの皆様にご来場をいただき、ズラリと並んだ三重の木の椅子たち
    の一つひとつの味わいを感じていただきたいと思います。

    11月3日から6日の四日間、、
    三重県立美術館ギャラリーで皆様のお越しをお待ちしています!!







    台風前に山遊び - 2022.09.17 Sat

    嵐の前の、、、まだ雨もなく静かな美里の工房。
    週明けにはいろいろ予定があるから早く来てさっさと
    行っちゃってほしい14号のヤツ。

    写真は昨日の思い立っての山行きのもの。

    しばらく味わえそうにない青空と爽やかな風と木漏れ日を求めて
    急に決めて午後から制作もほっぽらかして出掛けてしまったのでした。

    この趣きのある林道を一番奥まで入っていって、、、

    いつもの車川の杉山で3時間ほど間伐作業に汗を流しました。
    やっぱり行ってよかった。パートタイム気まぐれ林業は最高です。

    でも帰りには明和町で一件仕事の下見をしてきたし、
    今日は朝から頑張って椅子2脚をもう組み立てまでやってほぼ完成させたのだ。
    えらいな自分、、と気を緩めずに午後も明日も明後日もしっかり頑張ろう。

    台風の時って意外と制作が進むのかもしれません。




    因みにこの椅子は11月の『三重の木の椅子展3』に出品するやつで、
    基本デザインは以前やったものに今回少しの改良を加えて
    出展テーマであるローカルウッドを当てはめたもの。

    自分で丸太を調達して製材して乾かせたストックから
    随分と迷って選んだ組み合わせの椅子2脚です。

    これはかなりいい感じになったと思うけど、ふふふ、、、
    全体像の紹介は会場でのお披露目まで取っておきますね。

    乞うご期待!

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    はい、そして三重の木の椅子の展覧会のお知らせですが、
    あと1週間ほどで広報の準備が整う予定ですので、
    もうしばらくお待ちくださいませ。












    タモと杉の食卓椅子 - 2022.09.04 Sun

    7月の末頃から制作を始めた食卓椅子がやっとこさ出来上がって無事に
    納品してきました。




    現在お使いのテーブルと椅子のセットの
    テーブルは今のをそのまま使われるとのことで、
    椅子だけを6脚ご注文いただきました。


    20220904152017724.jpeg

    その高めのテーブルの高さに合わせて椅子の座面高は48センチと
    今の日本のダイニングチェアーにしては座面がかなり高いデザインです。


    20220904152019497.jpeg

    サイドシルエットはアーミッシュスタイルのダイニングチェアーに似て
    背もたれ部と後脚がストレートにつながって後ろに倒すように傾けた形になっています。


    202209041520200f1.jpeg

    その上と下の、それぞれの外側を中央部の座面の辺りから少しだけ先端に向け細く
    削って成形しています。これで独特な空気感が出ました。


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    今回のこの椅子の材料はフレーム部がタモで、背もたれ部分の羽目板と
    座面に杉が使ってあります。

    タモは工房に在庫であった中国経由のおそらくロシア材。もう随分以前の仕入れ材です。
    タモはnewforestの長い間の受注制作を支えてくれていた木で、適度に硬く
    ナラほど重たくはなく、加工性がよくて、とても粘りのある強度を持つ良材です。
    地元材の割合が増えてこの頃めっきり出番が少なくなりました。
    在庫もあとちょっとで、また要る時は仕入れなくてはいけませんが、
    価格が以前の倍近く高騰してしまっています。

    杉は工房のある美里町の北隣の安濃町(どちらも旧)にある小さな神社の
    境内にあった大木で、伐採後に4玉を譲り受けたんですが、年輪が超密で
    色合いも濃くてとても素晴らしい杉でした。

    仕上げはタモのフレーム部分が拭き漆、杉の座面と背板部分は蜜蝋ワックスです。


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    注文主の方は今回が初めて頂いた制作依頼でしたが、搬入後の反応は
    とても良く、大変気に入ってくださったご様子でした。

    そして結局テーブルの方も新しくしようというお気持ちになられたようです。
    でも僕のほうが来年の夏頃までのバックオーダーを抱えていて、テーブルは
    来年の秋から年末にかけての制作になりそう。

    次々と新しい仕事がやってきて本当にありがたいことですが、体力も昔と同じ
    というわけにはいかず、制作スピードが年々遅くなっているようで、仕事が
    思っている予定通りにこなせない今日この頃。

    仕方のないことだからそこは冷静に受け止め、無理のない制作日程で予定を組んで、
    とにかく丁寧で緊張感のある作品作りだけは、しっかりと維持していかなくては、、
    と思っているのですが、、、

    この後は11月のグループ展覧会に出品する地元材の椅子を、余裕を持って
    早めに作っておこうと思っています。(そうそう、さっき言ったように外国材が
    全般に高騰する中、地元材が作り手やユーザーの注目をぐっと高めることになるかしら。)

    この展覧会は実行委員会の代表を務めていて、これから展覧会の準備作業や
    広報活動も忙しくなってきます。オーダー制作も遅れっぱなしだし、、、

    うーん、、また当分ゆっくり休めない日々が続きそう。

    人にはスローライフ云々といつも言っていながら僕自身がこんなことでは
    全くもってよろしくないんだけどなぁ😔













    楡の食器棚 - 2022.08.13 Sat

    8月ももう半ばになりましたが、、、
    5月に始めて6月末に完成して7月半ばにやっと納品を完了した楡の食器棚です。

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    w1600 × d480 × h1800 オイル仕上げ

    素材は15年ほど前に丸太で買った北海道産の楡です。
    当時タモで2台作った太い框(かまち)で組んだ昔の日本の水屋のイメージの食器棚を
    楡で作ってみようと丸太を買い、そのアイデアに沿った厚さの板に製材して
    寝かせてあったものです。


    2022081313182816a.jpeg

    注文主のお宅は昨年の春にフルリフォームをされ、それに合わせた
    家具を何点かご注文頂いているのですが、ちょうど注文が立て込んでいる時期で、、、
    ポツポツと順次制作、納品をして手前のチェストは昨秋に、食器棚と奥のキッチンデスク
    は1年後の今の納品となってしまいました。


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    しかし丸太を買ってから長い年月が過ぎましたが、当時の構想通りの家具にすることが
    出来て感無量です。

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    末口65センチの樹齢250年くらいの楡の木です。
    昨年のチェストと今回の食器棚とデスク、また最初に納めてあったカウンターテーブル
    を2本の丸太から作り、質感や表情を揃えることが出来ました。
    2本の丸太は同じ個体ではないですが、同じ地域で同時期の伐採によるものだったと思います。


    202208130817138f9.jpeg

    背板(背面を囲う板のこと)も同じ楡の板です。


    202208130817149be.jpeg

    この引き出しの前板の部分だけ朱色の顔料を使った拭き漆で
    鮮やかな赤に仕上げてみました。
    オイル仕上げの家具の一部分に漆を拭き重ねた仕上げを混ぜるのは初めての試みです。

    また素材も変えて、ここだけネムノキを使いました。
    昨秋に納めてあったチェストの引き出し(こっちはオイル仕上げ)と同じ、
    工房前の森から伐り出したネムノキです。




    20220813081715953.jpeg

    オイル仕上げの楡と朱漆で拭いたネムノキのコントラストが醸し出す穏やかなリズム。

    引き出しの内部はこの頃のお決まりの、、多気町車川の森で自ら伐り出した自伐杉材です。

    20220813081717475.jpeg

    これまでは全体を漆で重厚なイメージにしていた水屋キャビネットでしたが、
    明るいオイル仕上げのものもいいなと思いました。

    さて、現在工房は椅子の制作がやっぱり予定オーバーして続行中。
    しかし焦る気持ちを切り替えて昨日からお盆休みを頂くことにしました。

    汗だくの真夏の制作からしばし離れて、ゆっくり身体を休めています。
    皆さまもどうかゆったりと過ごして猛暑の夏を楽しんでくださいませ。








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    Yoichiro Yuda

    Author:Yoichiro Yuda
    家具工房NEW FOREST
    木工職 油田陽一朗
    〒514-2104
    三重県津市美里町家所4324
    TEL/FAX:059-279-3887
    newforest-y@ezweb.ne.jp

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